犬神サーカス団 音源紹介
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御霊前
1 黒卵の腐
自主制作による初の音源。通称、電車の歌。凶子さんの声はまだまだ若い。
御霊前には後の犬神サーカス団のキーとなるべく単語が数多く散りばめられている。

2 白蛆の骨
ぐにゃぐにゃしたサウンドと奇妙な、ヘリウムを吸ったような声で
喋り続けるそれに不気味さを感じる。終盤は後の、エナメルを塗られたアポリネール。

3 青蛾の乱
今の犬神からは想像がつきにくいパンク調の曲。
中盤は後の、でもワザとじゃない。黒卵の腐同様、プレイ時間は14分を超える大作。
地獄の子守唄
1 見世物小屋口上
元・天井桟敷の昭和精吾さんが作詞、口上を担当している。
バックに流れているのは地獄の子守唄。ヘタウマなラッパが良い味を出している。

2 あんたは豚だ
罵り。マゾヒストにはたまらない(だろうなぁ)。
3 廃墟の街
あんブタの直後だからか、一層落ち着いた曲に聴こえる。サビの転調が良い。
4 常世の蟲
異形。闇。傷。絶望の淵。邪悪でどろどろとした気が充満している。
「壁に頭をぶちあてろ!!」は名台詞。これぞ犬神の本髄。少なくとも私はそう思う。

5 青蛾の群
孤独、悲愴、といった感情を精一杯押し殺しながら
穏やかな表情で歌う凶子さんが脳裏に浮かぶ。繊細な六弦が美しい。

6 基準停止装置
あなたが放尿した電柱が恋しくて一滴残らず舐めほしました、とあるように
純情愛情過剰に大異常な曲。「そんな夜に気づきました」で終わる辺りが鳥肌もの。

7 夜が終わっちまう前に...
当時の犬神の代表作ともいえる曲。台詞から歌への流れるような切り替えが良い。
車がスリップする音から入るのが印象的。98年には同名のビデオも発売された。

8 黒髪
集団礼拝的なイメージ。「血の色好む邪宗の神よ」部分の明さんのドラムテクは圧巻。
9 白痴
脳味噌ぐいんぐいん!全ては本能の赴くままに!!
10 基準停止線の網目
這いまわり、絡みつくような四弦が特徴。語りがグロく、生々しいことこの上ない。
私の中では深夜に一人で聴きたくない曲断トツナンバー1です。

11 鬼火
羊水のような静けさ。現実と非現実。眼前に広がる生き地獄。
12 灯蛾
蟲の一生は短い。人の一生もまた、短い。悲観はするな。燃え尽きろ。
そんなメッセージすら感じ取れる曲。

13 路上
切なく、綺麗なメロディ。間奏の六弦が哀愁を物語っている。
14 地獄の子守唄
心中した二人の行き着く先は.....。歌詞こそグロいが抜群の演奏力、歌唱力が
それを綺麗に聴こえさせる。ラストは「基準停止装置」の台詞が重なる。締めに相応しい。
蛇神姫
1 蛇神姫
「ひとつ、、陽の光… ふたつ、、不治の病…」と、少し桃太郎侍が入っている。
ちなみに「へびがみひめ」と読みます。じゃしんきなんかじゃありません。

2 逆流
感情剥き出しの言葉。ライヴ会場はヘドバンの嵐。
3 苦界浄土
寄せては返す。寄せては返す。波のような感情。そして静寂。
間奏の情緒たっぷりに弾かれる六弦に魂が揺さぶられる。泪がちょちょ切れる。

4 裏路地哀歌
語りがメインの曲。その分、間に入る歌が際立っている。
5 鬼畜
このアルバムには皮膚、眼球、舌、尿道、といった単語が多く使われているので
他作品よりもずっと生々しさが強調されているように思う。この曲もその一つ。

6 血みどろ菩薩
ノイズがかった歌声と歪んだ音が不気味。幼子に聴かせたら多分、泣く。
7 寂滅
静寂が支配する世界。
凶子さんが囁くように歌うので吐息がかかる感覚を覚える。喘ぎ声も聞き所。

8 でもワザとじゃない
じわじわ湧き上がる恐怖にラストの四弦が追い討ちをかけている。
雨でずぶ濡れになって帰ってきた仔猫をレンジでチン、って怖すぎます。

9 ガム
これはいいストレス発散になります。
前曲から四弦が途切れることなく続いているので編集の際は二曲続けてどうぞ。

10 背徳の扉
人にして、人に非ず。それとも人になりきれなかった異形のものか。禁断の地。
11 父親憎悪
ハードロック調のサウンドに凶子さんの伸びの良い歌声が乗っている。
この曲を聴いて動悸が激しくなる人もいるかもしれない.....

12 カナリヤ
しみじみ聴き入ってしまう曲。ラスト、途切れ途切れに消えていく六弦が寂しく、儚げ。
曲中の語りは「裏路地哀歌」より。サイトアドレスの「canary」はこの曲から付けました。
赤猫
1 赤猫
私が初めて買った音源が、赤猫。事実上、最初に聴いた犬神の曲。
その時の衝撃ったらなかったなあ。瞳孔がみるみる拡大したよ。

2 鬱病の道化師
乱歩の「踊る一寸法師」を曲にしたらこんな感じに聴こえなくもない。
3 血の贖い
この世で最も暗いであろうクリスマスソング。サビの凶子さんの歌声は
郷愁の想いに駆られる不思議さがある。個人的にこの曲は青森の恐山で歌って欲しい。

4 寄生蟲
63秒間、高笑いを続ける凶子さん。素敵です。
5 けもの道
凶子さんの伸びやかな歌声が格好良い。是非、これを日本昔話のエンディングに.....
暗黒残酷劇場
1 逆行による改善の試み
「文明が進んでも人は常に満たされない心を抱えている。だったら、
かつてあったものを見つめ直してみることの方が重要じゃないかなと考えた」と明さん。
音も太古を連想させる仕上がりです。

2 血まみれ内臓ロックンロール
資本主義に対する危機感を訴えた曲。横文字の登場はこの曲が多分、初。
3 皆殺しのララバイ
今回のアルバム、特に書き下ろし曲の多くからは犬神特有の
人の心の闇描写、生々しさが薄らいできたように思う。発想は斬新なんですけどね。

4 瓶づめの胎児
「黒髪」に曲調が似ている。
興行ではこの曲を演奏すると見せかけて黒髪を演奏したこともある。それもまた一興。

5 進化による退廃のススメ
歌詞には残酷な言葉こそ並んでいるが不思議と綺麗に聴こえてしまう。
それは、音がストレートすぎるからだろうか.....

6 瘡の妙薬
今までになかったテイスト。底辺に渦巻く、非情でどろどろとした闇、精神。
今回の書き下ろし曲の中では一番好み。

7 肉体の位置
男○の「ピー」というモザイク音はメジャー流通を意識して入れたのでしょうか。
でも、歌詞カードにはバッチリ書いてありますけどね。「男根」と.....
8 大地に死す
女帝と彼女を崇拝する下僕達。秘境をイメージする曲。
この曲は一曲目の「逆行による改善の試み」とリンクしています。

9 この世の終わり
凶子さんの歌声がとても艶っぽい。高笑いが切なく、そして痛々しい。
10 女囚のブルース
シングル「人工妊娠中絶」のカップリングであったが、当初から
こちらの方が犬っ子うけは良かった。個人的にも1、2を争うぐらい好きな曲。

11 悪魔は俺だ!
我らがリーダー、明さんが唄い手を務める曲。ルックスも渋いが、声も渋い。
「悪いのは誰だ?!」「アーキラーー!」

12 赤い蛇
疾走感溢れるサウンド。間奏で六弦がガンガン入ってくるのが最高に格好良い。
廃盤となったレコードを持っていない人にとって今回の再録は嬉しかった。

13 陽炎
凶子さんの静かな歌声とアコギから始まる。
そして四弦、太鼓が徐々に入り曲を盛り上げる。非常に綺麗な曲である。
怪談 首つりの森
1 無限の海の阿鼻叫喚
静かな重圧感。凶子さんのドスの効いた語り。痺れる。
2 怪談!首つりの森
世間の犬神サーカス団に対するイメージ=怪談?!
容姿に沿った曲。これは初の試み。PVの凶子さんが可愛かった。大熊猫的で。

3 花嫁
タイトルこそ花嫁ではあるが「貴方はいつか私の存在に気付くでしょう
とあるように、女性側の強い思い込みが感じられる。ストーカーチックな曲。恐怖。

4 お金を払って!
どこか懐かしさを感じる曲。でもかなり現代的な恋。嫉妬に狂った女は恐い。
5 真夏の夢
「Love&peace INUGAMI,thank you!!」ロックしてます!
6 くだらない話
シャッフル系。これが凶子さんの昔体験した実話だというからやりきれない。
7 黒い血
壮大なイメージ。
犬神は彼女の歌唱力を前面に押し出した曲が多いことを改めて実感させられる。

8 地獄へ堕ちろ!!
言いたい放題!あとはどうなろうが知らん知らん!
あ、これは心の声かもしれないね。.....だったらいいや。無問題。

9 私もう駄目かもしれない
意識の中に巣食うのは、もう一つの人格か。それとも..........
10 爆走 All Night Long
爆走オーナイロン。犬神初の横文字タイトル。のりのりのロケンローナンバー。
11 お人形
情次さんのアコギに凶子さんの唄が乗る。神がかり的な何かを感じます。
12 涅槃に咲く白い花
曲中にはダンチョネ節が歌われている。演奏時間は12分と長め。
前半は明さんと凶子さん、後半はジンさんと情次さんの掛け合いがある。たまらん。
形而上のエロス
1 今夜も呪いの幕が開く
聴こえてくるのは客寄せ口上。道化師が滑稽なダンスを踊っている。
誘われるがまま入ったら?興味本位で覗いたら?

2 自殺の唄
静脈、動脈、覚○剤。嗚呼、これぞ犬神節。
犬神凶子と死ね死ね団。(勝手に命名)
血が滾るロックンロールナンバー。凶子さんの巻き舌は最高です。

3 道行き
「形而上のエロス」は死をテーマにしたアルバムである。
禁断の恋の果て、心中を決意した二人が雪の中で交わす最期の接吻。
白と朱、目にも鮮やかなコントラストが哀しく切なく美しい。

4 親愛なるあなたへ
語り。犬神的不幸の手紙。
サウンド、語り共にどこか「白蛆の骨」を髣髴とさせる。高笑いも健在だ。

5 影ひとつ
70年代フォーク全盛期の空気漂う聴かせる一曲。泣かせます。
個人的に(2)〜(5)は最強コンボ。

6 悪魔のように囁いて
万人受けしそうな曲かな、と思ったがとんでもない。
全体的に小奇麗な印象を受けたからそう感じただけ。悪魔の誘惑。

7 ハイエナ
あいつはハイエナ。泥棒猫なんて可愛いもんよ。
「こっちに寄るな!」吐き捨てるような台詞がたまらない。笑みが零れた。

8 海の底
深海の闇、静寂に満ちた世界を思わせるイントロ。
ヴォーカルを前面に押し出した曲が多い犬神。これはいい意味での王道。
どうか、4人にしか作り出せない世界をこれから先も、ずっと。

9 妄想天国
一番スケロクの流れを汲んだ作品か。間奏の弾けた六弦は必聴。
10 それでも貴方に逢いたくて
一つ屋根の下、天井裏やベッドの下に赤の他人が潜んでいたら.....
このアルバムのギターソロではそれでも貴方が一番好き。

11 千里眼
未来の出来事や人の心の奥底を見通す力を持つ少女。一人称は、あたい。
世の中には知らない方が幸せなことが沢山ある、ってことか。

12 恋唄
恋人の暴力に一種の快楽を覚える女。
第三者には理解できない世界。ある意味、究極の愛の形なのかもしれない。

13 神隠しの午後
脆く、儚い歌声。一曲目とメロディは同じだが受ける印象が全く違う。
主人公は異世界に迷い込んでしまったのだろうか。呪いの幕は静かに下りる。
その他
人工妊娠中絶
CWは、女囚のブルース。犬神初のマキシである。
への絶望を歌ったCWに対し、この曲は胎児の目線でへの絶望を歌っている。

竹田の子守唄
オムニバスアルバム「フォーエバーヤング」収録。元は日本民謡で、74年に
解散した「赤い鳥」がカバーしていたのは有名。語りを加えることで、より犬神節に。

人肉スープ
オムニバスアルバム「えびす温泉ヒットパレード」収録。
正式タイトルは「兄の病の特効薬は死臭漂う血の池地獄のような人肉スープの形而上学」
全体的に物悲しく、静かな曲で、間の取り方が計算し尽くされている。

赤痣の娼婦
オムニバスアルバム「異形の宴」収録。音を一定の周期でループさせており
全体的にウネウネした感じ。個人的にラストの「た だ れ た 瞼は」部分の気張りが好き。

エナメルを塗られたアポリネール
オムニバスアルバム「異形の宴」収録。御霊前よりも「お母さん!」という叫びが悲痛。
そういえば昔「初めて犬神を聴く人にはどの曲を最初に薦めたい?」という問いに対して
明さんがこの曲を挙げていた記憶がある。

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